アメリカに教えてもらったこと アーカイブ - 航空用品専門店 FLYING GIFT SHOP

計器飛行ロング・クロスカントリー3

外界が全く見えないまま(外をフードの隙間からチラ見することも出来ますがそれでは訓練の意味がありませんので)、フード内の計器に目を配りディレクショナルジャイロ(定針儀)で一定方向への飛行を維持しつつ、上昇率も500f/分にあわせて上空へ駆け上がります。

その状態を維持しつつ、ベイ・デパーチャーとコンタクトをするのですが、実はこれが至難の業。
というのもデパーチャー・サイトは他のエアラインとの交信で割り込む隙を見つけるのには、各出発機の動向を把握していないと、『今だ!』とマイクのスイッチを押せないのです。

そんな中、隙間を見つけて『Bay departure, Cessna 9568G 1,500 climbing with you』と送信。するとデパーチャーの管制官から『68G radar contact, Heading 010 climb to 3,000』と返答。

リードバックをして指示された方位10度の方向へ機を向け、高度3,000フィートへ上昇を続けます。もちろんこの時も外界が見えないようにフードを被っていますので、計器を頼りに飛んでいます。というか、計器しか頼るものがありません。

離陸と同時にスイッチを押したストップウォッチに目をやると15分経過。
針路から想像するにオークランド空港の上空辺りのはずです、しかし外界は見えませんので軽くチャート(航空地図)に目をやり確認します。

するとデパーチャー管制から『68G (シックス・エイト・ゴルフ) Fly Heading 320 clibm and maintain 5,000』と指示されます。
針路を320度の方向へ向け上昇を続けます。

上昇が終わった後はフライトプラン通り、多分ユージン空港の周辺まで一直線のルートです。

(エンルート飛行中は他機の位置情報が入る位のフライトですので途中省略します)

計器飛行ロング・クロスカントリー 1
計器飛行ロング・クロスカントリー2

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計器飛行ロング・クロスカントリー2

1日に10時間近く飛ぶことを、しかもフード(外界との視界を遮る目隠しみたいな物)を被って計器飛行で飛ぶことを最初は軽く考えていました。

考えていたことは『やり抜くこと』だけ。

今思えば無茶な話です。有視界飛行で2時間飛べばそれなりに疲れますから。

いよいよ当日の朝を迎えました。離陸は朝7:30と決めました、順調に行けば第1番目の目標地点のユージーンまで4時間、アルタネート(天候不順や不意の事態に備えて降りる代替空港)はルート上に沢山あります。ロングレンジのセスナ172なので余裕で6時間は飛べます。

朝6時に空港へ行きFSS(フライトサービスステーション)へ電話し、エンルートの天候を1000Feet毎に確認、メモを取ります。多少の向かい風で快晴、アクチュアルなIFR飛行にはならないようです。

一通りの手順を終えて教官と、同乗者(帰路をこの同乗者2人で分けて飛びます)をまちます。

教官とのブリーフィングを終え、フライトバッグ、水筒、軽いスナックを持って機に乗り込みます。

7:35 エンジンスタート。ほぼ予定通りです。管制塔からIFRの許可はランナップエリアで貰うことにしてタクシング中に各計器のチェックを行います。

ランナップエリアでクリアランス・コピーの準備が出来たと管制塔にコンタクト。朝の出勤時間なのでベイエリアはエアライナーの離発着で混雑している時間帯。クリアランスも結構あちらコチラへと振られる内容でした。

クリアランスをリードバック、タワーから『Read back is correct, advice when you ready』と返信。
『We are ready now』と返すとすぐに『Clear for Take Off Runway 26 Right,』

と返ってきました。
『Clear for Take Off Runway 26 Right』と返し機を滑走路にアラインさせ、エンジンを吹かし操縦桿を引こうとした時、隣の教官が僕のフードをおもむろに下げました。

もう外は見えません。そのまま操縦桿を引き機を浮かせます。上昇後500Feetに達するとタワーから『Contact Bay Departure, Good Luck!』管制官も僕がシアトルに向かうのをファイルしたプランで知っているからです。

つづく

計器飛行ロング・クロスカントリー 1
計器飛行ロング・クロスカントリー3

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隣の席のお姉様

今回のブログは アメリカでの第一声  の続きです。

 ウェスタン・エアラインズのチェックイン・カウンター で場所を聞き いざユナイテッド・エアラインズへ。

しかし これが実に遠かった。

 生活必需品と教科書等の本が一杯詰まった異常に重いフルサイズのボストンバッグをゴロゴロと引きずりながら、ユナイテッド・エアラインズのサインを探し々し、1キロくらい歩いた。(と思う。)

(前回にも書いたけど、ロサンゼルス空港内には無料の巡回バスがクルクルと走り回っていて トランジットの時にはこのバスでエアライン間を移動する でもそのときの僕はそんなこと、な~んにも知らなかった)

ようやくユナイテッドを見つけて、チェックインの為にラインに並ぶ。

そして自分の番になりカウンターのお姉様にチケットとパスポートを渡すと、

『このチケットは、ウェスタン航空のチケットですよ。』と優しく微笑みながらチケットをお返し下さった。

『えっ?!』

『だって、ここにユナイテッド・エアラインズって書いてあるよ。』

『いえいえ、このチケットはユナイテッド・エアラインズで購入されたウェスタン・エアラインズのチケットです。』

『が~ん』

ウェスタン・エアラインズって あ~た、さっき『アメリカはどこ?』って聞いて 大恥かいたところじゃん!

と、また大恥をかきにさっき来た長い道のりを これまた例の異常に重いボストンバッグを引きずりながら、ロサンゼルスの乾いた空気の中をとぼとぼと引き返した。

ギロチンの斬首台へ向かう罪人の気持ちはたぶん、こんなんだったろうなと考えながら。

その時の心境を今思い返してもゾッとする。(僕の人生、ゾッとすることが多すぎる…)

で、僕の処刑所のウェスタン・エアラインズへ到着。

が、しかし、あの高笑いお姉様達の姿は見えず代わりに品の良い銀髪のおばさまがいた。

ホッと胸をなで下ろし すんなりとチェックインしてゲートへ向かった。

 その後、僕を乗せたボーイング-737はサンフランシスコへ向けて時間通りに動き出した。

タクシング中、フライト・アテンダントの機内アナウンスとシートベルトの締め方、酸素マスクの付け方、万一の場合の救命胴衣の着用の仕方のデモンストレーションが始まった。

彼女のアナウンスはとっても早口で何をいっているのか、さっぱりわかりません。

 ベルトのバックルをカチッと締めて…と言っているであろう辺りで バックルを『バコー』、『バコー』と発音していたのを思い出す。

 そうこうしているうちに機は滑走路脇へ….(とはいってもゲートから滑走路まで20分くらいガタゴトとタクシング。さすがロサンゼルス空港はでかいのだ!)

スッチー(死語?)が

『ただ今より離陸します。』

とかなんとか言ったんだと思う、そしたら隣に座っていた黒人のお姉様がこちらを向いて

『What did she say?(なんて言ったの?)』

と必死の形相。

あの~ あんな早口でまくし立てられたら、わかりません。
それよりも何よりも、私は日本人でアメリカに来るのもアメリカの国内線で飛ぶのも初めてなので分かりません。僕は今、今夜寝るところへたどり着くために必死なのと緊張感で、泣きたいのはこっちなんです。

と言いたかったが英作文が出来なかったので

『She said “Let’s go […]

アメリカの優先順位

 

空の上の飛行機の優先順位のお話です。 前述の通り僕はパイロットです。 とはいっても軽飛行機のパイロットでセスナ(日本では軽飛行機を総称してセスナと呼んでいますが、これは間違い。 セスナは固有名詞でセスナ社の飛行機のことをいいます)を操縦します。 日本でもちょくちょく飛んでいますが 日本では大型機が優先、小型軽飛行機はとにかく邪魔者扱いされます。 (管制官にも依りますが…) 特に以前の名古屋空港(今は愛知県営名古屋飛行場)では先に管制圏に入っているのにジャンボ等の大型機にその優先権を奪われ 上空で待機させられることが非常に多くありました。 アメリカでは… 随分昔の話になりますが 航空無線を地上で聞いているときに偶然聞けたパイロットと管制官のやりとりのお話です。 その時、サンフランシスコ空港へ着陸しようと1機の小型機が近づいていました。  実はサンフランシスコ空港は世界でも有数な超多忙な空港です。 成田が忙しい、忙しいといわれていますが そんなの全く比べ物になりません。 その超多忙な管制官にとっては、スピードも遅くパイロットの技量もわからない軽飛行機を誘導するのには手間がかかりますし 鬱陶しい存在だと思います。 そこへルフトハンザのジャンボ機がやって来ました。 長旅の疲れからなのかジャンボ機のパイロットは通常より早いスピードで空港へ向かっていたようです。 管制官から   『スピードを落とせ、先にセスナを着陸させる』 とジャンボ機に指示が飛びました。 するとジャンボ機から   『こちらが先に着陸したいので セスナをどかせ。』  と返信。 管制官から   『セスナに優先権がある。スピードを落とせ。』  ジャンボ機から   『こっちは長旅で疲れているんだ、先に着陸させろ。』  そんなやりとりの間にも ジャンボ機はどんどん空港に近づいています。 すると管制官は セスナ機に向かって  『セスナ機へ、風○○の方向 強さ○○ ○○滑走路への着陸を許可する』  続いて ジャンボ機へ  『ルフトハンザ○○便 ゴー・アラウンド(着陸をやり直せ)』  ジャンボ機からすぐ返信がありました。  『ジャンボがUターンするのに1万ドルもかかるんだぞ!!』  すると管制官  『Just Show me $20,000 Turn (じゃあ、2万ドルのターンを私に見せて頂戴ね)』  ジャンボ機は管制官に負けてしぶしぶ着陸のやり直しをしたのでした。 カッコよかったな~ あのサンフランシスコの女性の管制官!!

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